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無料記事 二十四節気

大暑(たいしょ)

大暑(たいしょ):7月23日頃

 

「大いに暑い」という名前の通り、この頃は1年で一番厳しい暑さが続きますが、
近年は地球温暖化の影響で年々暑さが増しています。

夏の絶頂期で日本ではこの頃を「暑中」と言います。
また、「盛夏」や「酷暑」もこの時期です。

天気を表す際には気温が、

25℃以上で「夏日」、
30℃以上を「真夏日」、
最低気温が25℃以上の「熱帯夜」が主に使われていましたが、
2007年頃からはこれらに加えて、
気温が25℃以上の「猛暑日」が使われるようになりました。

夏バテや熱中症に注意が必要なのでしっかりと対策を講じましょう。

桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ)

7月23日~27頃日
家具材としても知られる桐に、卵型の実がなり始めます。

それと同時に、来年の4〜5月にほころぶ蕾も枝先に現れます。
実と蕾が同時に枝に連なるので、子孫繁栄を象徴する縁起物とされてます。

⑵土潤溽暑(つちうるおいてむしあつし)

7月28日~8月1日頃
夏特有の暑さは「溽夏(じょくしょ)」とも表現します。
「溽」には湿気が多く暑いという意味があります。

この蒸し暑さを乗り越えるために、先人達は「暑気払い」を行ってきました。
打ち水をしたり、冷たい食べ物で暑さをしのいだり、行水で涼を感じたり、風鈴を飾ったり。

エアコンの効いた部屋でゆっくりするのも良いですが、
昔から行われていた涼の感じ方を実践してみるのも風流ですね。

⑶大雨時行(たいうときどきおこなう)

8月2日~6日頃
七十二候の上では、夏も最後となりました。
夕立に代表される突然の大雨が時に激しく降ります。

夕立は湿度が高く、蒸し暑い日の午後に起きやすく、
地表の空気が温められて上昇気流が生じて、積乱雲が発達して急に強い雨が降ります。

 

この季節の食べ物

モロヘイヤ

シンプルに湯がいておひたしや和え物にして食べたり、
お味噌汁の具にしたり、和食にぴったりな野菜です。

ビタミンやミネラルが多く含まれ、カロテンとカルシウムは特に豊富です。
ムチンという成分に由来する独特のネバネバがあり、
消火器を保護して血糖値を抑える効果があります。

スイカ

日本にスイカが伝わったのは17世紀半ばとされますが、
すでに14世紀・16世紀にはあったとする説もあります。

中国から伝わったため、西の瓜「西瓜」と呼ばれるようになりました。
縞模様のスイカが出回るようになったのは、昭和初期と言われています。
それ以前は北海道の特産物である「でんすけすいか」のように
黒一色の皮のものが一般的だったそうです。

英語ではウォーターメロンと呼ばれるように、
水分が多く、糖質・カロチン・カリウムなどのビタミンやミネラル分を
豊富に含むため夏のおやつに最適です。

ミョウガ

そうめんや冷奴の薬味として好まれる食材です。
さっぱりとしたミョウガの独特な香りは、アルファ・ピネンという精油成分によるものです。

発汗・呼吸・血液循環などの機能を促す作用があり食欲を増進させる効果があります。

イワシ

栄養価が高く、値段が安いため昔から大衆魚として親しまれてきました。
新鮮なものであれば刺身・寿司だねに、そのほか酢の物・煮物・焼き物など幅広く使えます。

イワシはほぼ1年中出回っていますが、
特に8月〜10月は脂がのってとても美味しくいただけます。

イワシは漢字で「鰯」と書きますが、「弱」という字が入る通り痛みやすいので注意が必要です。

きゅうり

96%が水分でできており、カロリーも低い食材です。
きゅうりは身体を冷やしてくれて、夏の吹部補給になる優れた野菜です。
全体にツヤとハリがあり、表面のイボが尖っているものが新鮮です。

そうめん

夏バテで食欲が減退しがちな暑い夏に、
清涼感を与えてくれる麺料理です。

たっぷりのお湯で茹で上がった麺を素早くザルに取り、
流水でしっかりもみ洗いしてから冷やして食べます。

薬味としては、刻みネギ・おろし生姜・ゴマ・ミョウガ・しそなど
さっぱりとした食材がおすすめです。胃腸にも優しく、涼を感じられます。

枝豆

山形のだだちゃまめ、新潟の茶まめ、京都の丹波黒豆など、産地も品種も様々です。
鮮度が落ちやすいため、新鮮なものを選びましょう。

さやの青みが深く、程よい膨らみがあるものが美味しいです。
ビールと枝豆さえあれば、夏の暑さをしのぐ一杯となることでしょう。

 

この季節の草花

ユリ

ユリは本来、初夏から夏にかけて花を咲かせます。
香りの強い大ぶりの花が特徴で、
近頃は様々な種類があるので四季を通して白・ピンク・黄色など
様々な種類のものが市場に出回っています。

日本では、ヤマユリ・カノコユリ・ササユリなどの日本固有の種があり、
弥生時代には食用になっていたとも言われています。

ユリの花言葉は「純粋」「無垢」ですが、色によっても違う花言葉があります。

胡蝶蘭

大切なお祝いの際などに送られることが多い胡蝶蘭。

蝶が待っているような華やかな見た目で「幸福が飛んでくる」
「共にする喜び」という花言葉があるため、お祝いやギフトに人気があります。
ラン科の植物の中でも気品が高いと人気があり、1鉢数万するものも多く見られます。

百日紅(サルスベリ)

朝に美しく咲いた花が夕方には落ちてしまうという、
1日花で夏から秋の初め頃まで花が咲きます。

樹皮が白く、なめらかな手触りをしており、
猿も滑って落ちてしまうほどツルツルという様子から
サルスベリと名付けられたそうです。

シワシワと細かく波打つ小さな花がまとまって
1つの大きな花のように見える姿はとても華やかで美しく、
見るものを魅了します。

桐の花

桐は初夏に薄紫の釣鐘型の花を重ねるように咲かせます。
この時季に卵型のみを結びます。

桐は古来から神聖な木とされており、
500円玉の裏側にも桐の花と葉が描かれています。

また内閣総理大臣の紋章にもなっています。

 

この季節の生き物

ウスバカゲロウ

幼虫はアリジゴク、成虫になるとトンボに似た羽の大きな姿をしています。
夜行性なので昼間はじっとしていることが多く、夜になると灯火などの光に集まります。
昼間も飛ぶこともありますが、フラフラと少しぎこちない姿で飛びます。

アカショウビン

体長27cmほどで、全身が燃えるような赤い色をした夏の鳥です。
梅雨時期に「キョロロロロロ…」と、よく鳴くことから「雨乞い鳥」「水乞い鳥」とも呼ばれます。

響く声はよく聞かれますが、姿を見つけることはなかなか難しく、
なかなかお目にかかることができません。

アブラゼミ

「ジージー」と油が煮たぎるようにうるさく鳴くアブラゼミの初鳴きは、
季節の移ろいを感じさせる自然のサインとして各地で観測されています。

電信柱や人の家の壁に止まって鳴くことも多く、夏になると至る所で見られます。

 

この季節の行事やオススメ

天神祭

7月24日・25日
日本の三大祭りの一つである天神祭は、大阪天満宮のお祭りです。
951年から始まったと言われるこのお祭りは、1000年余の伝統を誇る日本屈指の祭典です。

大阪の夏を彩るお祭りで、賑やかなお囃子と水に揺らめく灯りが風情たっぷり。
堂島川を100隻の船が渡ります。

お神輿の陸渡御と船渡御を行い、災厄を祓います。

隅田川花火大会

7月最終土曜日
毎年行われる東京の夏の一大イベントです。

1733年に八代将軍吉宗が、前年の大飢餓の死者を弔うために水神祭を行い、
その時に花火を上げたのが起源だと言われています。

暑中見舞い

梅雨明け〜8月7日頃(または立秋前の18日間)
親しい人や目上の人、しばらく会えていない友人などに出す手紙です。

夏の暑さが厳しくなる頃「お元気ですか?」の意を込めて送ります。
「暑中お見舞い申し上げます」といった書き出しが多く、
夏の爽やかな色使いや、スイカや花火・ヒマワリなど、夏の風物詩をあしらったハガキに近況を添えて報告します。

8月7日の立春をすぎると「暑中」ではなく「残暑」という言葉を使いましょう。

八朔(はっさく)

8月1日

「八月朔日(さくじつ)」の略。
朔日とはついたちのこと、つまり8月1日を表します。
旧暦の八朔は、現代の9月頃に当たります。

かつては田畑にお供え物をして、豊かな作物の実りを神様に願っていました。
鎌倉時代からは「稲の実」→「田の実」→「頼み」と転じて、
信頼している人に感謝の気持ちを込めて贈り物をする習慣が生まれました。

京都の花街では、黒紋付をまとった舞妓さんや芸子さんが八朔の挨拶回りを行い、
日頃お世話になっている芸事の師匠やお茶屋を廻る習慣があります。

ねぶた祭り

8月1日頃〜7日頃

青森県各地でねぶた祭りが開催されます。
極彩色の大灯篭が内部の明かりによって浮かび上がり、
武者絵や美人画が夜の空に美しく浮き上がります。

元々は七夕に行っていた悪霊ばらいの灯籠流しと、
夏の農作業の邪魔をする睡魔を払う「眠り流し」が一つになって生まれたとされています。

津軽弁で眠たいことを「ねぷてぇ」と言い、
これが訛って「ねぶた」になったと言われています。

弘前ねぷたは「ヤーヤード!」という掛け声とともに、
青森ねぶたは「ラッセラー!」という掛け声とともに行列が進みます。

秋田竿灯祭り

8月3日〜6日
五穀豊穣を願うお祭りです。
こちらもねぶた祭りと同様、夏の悪霊と睡魔を払う「眠り流し」が起源となっています。

差し手が稲穂に見立てた竿灯(かんとう)を持ち上げ、
額から肩、肩から腰へとリズミカルに移していく妙技を繰り広げます。

「生(お)えたさぁ、生えたさぁ」という掛け声とともに、竿が空に向かって、しなって揺れます。

三尺寝(さんじゃくね)

夏の季語で、三尺は約90cm〜105cmほどの長さを表します。
暑い夏の昼日中、職人や大工がしばし休憩して短い睡眠を取ることを言います。

「日の影が三尺動く時間(小一時間)だけ寝る」や
「三尺ほどのスペースで寝る」という意味があります。

寝苦しい夜のこの時季は、現場で昼寝をする姿が多く見られます。

蝉時雨(せみしぐれ)

セミの鳴き声が、まるで時雨が降ってきたかのように一斉に大音量で聞こえる様子を表します。
夏の季語です。

ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシ、アブラゼミ、アブラゼミが鳴き始め、
夏の最後をツクツクボウシが飾ります。

 

written by はれる88

小暑(しょうしょ)

立秋(りっしゅう)

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