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無料記事 二十四節気

穀雨(こくう)

穀雨(こくう):4月20日頃

 

穀雨とは、たくさんの穀物を潤す春の雨が降ることです。
この頃になると局部的に起こる小低気圧の影響で細かい雨が降り続きます。

やがてその雨が土壌を潤おし、種まきの好機をもたらしたり、草花の芽生えを助けたりします。
この季節の終わりには、夏の始まりを告げる八十八夜が訪れます。

葭始生(よしはじめてしょうず)

4月20日~24日頃
葦(あし)は芽を吹き始める頃です。葦の若葉を「葦芽(あしかび)」と呼び、
尖った若芽の先は牙のように水面に伸びていきます。
春を表す季語になっており、葦の角・葦の鎧とも呼ばれます。

そして夏にはぐんぐんと背を伸ばし、秋には金色の穂が風になびきます。
葦ははるか昔から日本人に欠かせない植物でした。

豊かな水に恵まれ、水辺に生える葦が、すだれや紙・楽器などの日用品の材料として使われました。
神話では日本国土のことを「葦原の国」と呼ぶ場合がありますが、
これは葦が日本に多く生えていたからとされています。
葦は「良し悪し」の「悪し」を連想する場合も多いことから「良し」に言い換えることもあったそうです。

⑵霜止出苗(しもやんでなえいず)

4月25日~29日頃
晩秋、暖かな日が続いた後に急に気温が低下して降る霜を
「忘れ霜」「別れ霜」「名残の霜」などと言います。
夜間の冷えがなくなり、これらの春の霜が止みます。

霜の心配がなくなると、稲作の苗を始めあらゆる農作物が育ち始めます。

⑶牡丹華(ぼたんはなさく)

4月30日~5月4日頃
中国では花の王とされるほど愛されてきた牡丹。

もともとは薬の材料として育てられていましたが、
華麗さがゆえ観賞用として栽培されるようになりました。

「牡丹」という季語は夏に分類されますが、
この頃に華麗な花が春爛漫に咲き誇り、
春が終わるとともにちりゆく姿は春にぴったりです。

 

この季節の食べ物

行者にんにく

玉ねぎやにんにく、ニラなどと同じユリ科ネギ属の多年草です。
東北より南では高山でしか見られません。

そのため「修行中の行者がこの山菜を食べて精力をつけた」という
ことから名付けられたと言われています。

醤油漬けにしてご飯のお供として食べるのが美味しいです。

ホタルイカ

腕発光器、皮膚発光器、眼発光器など、身体にいくつもの発光臓器を持っており、
ほたるのように身を光らせることから名付けられました。

深海に生息するホタルイカモドキ科に属する小さなイカです。
体長はオスが4〜5cm、メスが5〜7cmくらいです。
滑川市には漁を間近で見る海上観光があります。

酢味噌和えが定番ですが沖漬けや燻製も美味しいです。

アイナメ

日本各地の浅海に生息します。
全国的に食べられているが漁獲量自体は少ないです。

上品な白身の高級魚で脂ののった夏のものが特に人気です。
祝いの席で食べられる機会が多いです。
高タンパク低脂肪で低カロリーです。

こごみ

アク抜きが必要ないため手軽に調理できる山菜です。
正式名称はクサソテツと言い、シダ植物の多年草です。

美しい緑の葉で、冬には地上の葉は枯れますが、
地下の株は越冬して春から初夏にかけて渦巻き状の新芽が出てきます。

食用はその新芽の部分です。
天ぷらやおひたしとして食べられています。

新ごぼう

中国から薬草として入ってきたごぼうが食用となったのは日本のみでした。
水溶性の食物繊維がたっぷり含まれており、低カロリーなので生活習慣病対策にぴったりです。
特に春の終わりから初夏にかけて九州あたりでとれ、始める新ごぼうは柔らかくて食べやすい旬の味です。

2月下旬から出回り始め、5月の下旬まで収穫されます。
3月〜4月が一番手に入れやすい時期です。
日本で食用にされている筍は、中国から伝わった孟宗竹(モウソウチク)が主流です。
そのほか、淡竹(ハチク)や真竹(マダケ)などの種類もあります。
煮物や炊き込みご飯にすると美味しくいただけます。

メバル

大きな目が張り出して見える事から、眼張と呼ばれるようになったそうです。
早春の海釣りの代表的な魚でもあり、「目春」や「春告魚」とも呼ばれています。

3月後半〜5月が旬で塩焼きや煮付け、唐揚げが美味しいです。
かつては庶民に広く親しまれてきた魚ですが、近年は獲れなくなり、希少価値が付いています。

 

この季節の草花

芝桜

芝のように地面から近い場所に花をつける植物です。
花の形は桜のようで、あたり一面に広がる花の様子は花の絨毯のようでとても可愛らしいです。
4月中旬頃に見頃を迎えます。

園芸用としても人気が高いです。

ツツジ

万葉集に歌われ、源氏物語にも登場するツツジです。
古くから日本人に愛されており、今でも庭木として自宅で育てる人も多く見受けられます。

江戸時代にはツツジ園芸が盛り上がり、多数の品種が作られました。
4月から5月にかけて白・ピンク・紫・赤など様々な色の花を咲かせます。

ツツジの名所は日本各地にありますが、樹齢800年を超えるヤマツツジの巨樹群がある
群馬県館林市の県立つつじが岡公園や、
3万株のツツジが色とりどりに咲き乱れる長野県岡谷市の鶴峰公園が有名です。

牡丹

桜が散った後、見頃になるのが牡丹です。
ピンク・赤・紫・黄色など色とりどりに咲く大きな花はとても綺麗です。
奈良時代に中国から渡来しました。

日本でも多くの人々を魅了し、俳句や絵画・墨彩、着物のモチーフにもなっています。
「立てば芍薬、座れば牡丹」とも形容されるように美しさの代名詞となっています。

チューリップ

チューリップは春の花の代名詞ですが、植え付けを行うのは秋の紅葉が見頃になる頃です。
ほぼ半年ほど土の中で成長をした後春になると咲きます。

その種類は数千種にも及び、毎年新しい種類が増えています。
品種によってチューリップの開花時期は異なります。
1番咲きが3月下旬頃、2番咲きが4月中旬、3番咲きが4月下旬〜5月頃です。

 

この季節の生き物

コアジサシ

チドリ目カモメ科の鳥です。
本州以南の砂浜や埋立地、川の中州などで集団で生活します。
「キリッ、キリッ」と鋭い声で鳴きます。全長は30cm弱ほどで翼を広げると50cm以上になります。

日本には夏に渡来する渡り鳥。
現在は環境省の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に位置付けられています。
各地で繁殖地の減少が心配されていることが一因となっています。

オオヨシキリ

頭、背、羽、尾が淡い褐色をしています。
下面は黄白色で口元にヒゲがあります。

「ギョギョシ、ギョギョシ」や「ケケス、ケケス、カイカイシ」などと
大きな声で鳴きます。

一夫多妻の鳥で、メスはオスの近くに巣を作ります。

万葉集にも登場する花です。
4月下旬から5月上旬に長い穂のような花序を垂れ下げて咲きます。

淡紫色・白色の花を咲かせ、花には甘い香りが漂います。

日本の固有種はツルが右巻きの野田藤(紫藤)と
左巻きの山藤(野藤)の2種類があります。

奈良の春日大社には樹齢700年とも言われる「砂ずりの藤」があり、藤の名所として有名です。

春蝉

蝉といえば夏をイメージすることが多いですが、春蝉は早ければ5月に現れます。
松林を好むことから松蝉とも呼ばれます。

体長は翅の先まで約3cmくらいで、夏蝉と比べて少し小ぶりです。
「ジー、ジー」「ムゼー、ムゼー」という鳴き声をしています。

 

この季節の行事やオススメ

亀戸天神社の藤まつり

4月中旬〜5月5日頃
大火災からの復興の鎮守として建立された東京都江頭区の亀戸天神社は、藤の花で有名です。
境内にある50株以上の花が咲き始める頃に行われる恒例の藤まつりです。
祭りの期間中は境内が藤色に染まり、藤の香りが漂います。

昭和の日

4月29日
昭和天皇の誕生日です。昭和63年(1988年)までは天皇誕生日でしたが、
翌年からは「自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として
「みどりの日」になりました。

そこから祝日法の一部改正により、
2007年から「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」と
規定された「昭和の日」になりました。

この変更に伴い、「みどりの日」は5月4日になりました。

八十八夜

5月2日頃
立春から数えて88日目に当たる雑節の一つです。

8という末広がりの文字は縁起が良いとされており、
それが2つ重なることから、この頃に摘み取られる新茶は、
古来から不老長寿の縁起物として珍重されています。

この日に至るまでの寒暖差や日照時間などはお茶からうまみ成分を存分に引き出します。
また「八十八夜の別れ霜」という言葉があるように、
この頃から朝晩の冷え込みが収まり霜の害への心配がなくなります。

お米や農作物の種まきに最適な頃とされています。
八十八はという字は重ねて書くと「米」という字になります。

そのため、米農家でも特別な日とされており、神事を行ったり、苗代を作ったりされています。

憲法記念日

5月3日
1947年5月3日に日本国憲法が施行された記念として、翌1948年に制定されました。
「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」ことを趣旨とした国民の祝日です。

5月1日から7日までの一週間は憲法週間とされており、
法務省や裁判所などが憲法の意義・理解を深める活動を行っています。
法廷や庁舎見学、民事調停の模擬体験など貴重な体験ができるところもあります。

博多どんたく

5月3日〜4日
1万人を超えるどんたく隊のパフォーマンスは大迫力です。
どんたくとはオランダ語のZondag(ゾンターク、休日の意)が語源とされています。

しゃもじを叩き、にわか面をつけ、羽織を裏返しにして着る「粋な肩裏」と呼ばれる出で立ちで、
街中に作られた舞台や広場で踊りを披露します。

平安時代末期にこの地を治めていた平重盛の功績を偲んで行われていた正月行事の松囃子に由来し、
戦後になって5月に行われるようになりました。

有名人が来ることも多いそうです。

田植え

4月〜6月頃
土を掘り、水を入れて代掻きをし、田に苗代で育てた稲の苗を植える作業です。
腰をかがめた体勢で重労働なため、昔は地域全体で助けながら田植えを行なっていました。

 

writtn by はれる88



清明(せいめい)

吉方位の方角の意味

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