立夏(りっか)

立夏(りっか):5月5日頃
暦の上では夏の始まりとされています。山野に新緑が芽生え始め、
すがすがしい爽やかな風が吹く頃。優しい陽光に夏の気配を感じられます。
爽やかな五月晴れという言葉がしっかりくる陽気。
梅雨のくる前の気持ちいい日々を十分に愉しみたい季節です。
一方この頃、東北地方では桜が満開になることが多いです。
⑴蛙始鳴(かわずはじめてなく)
5月5日〜9日頃
気候が随分と暖かくなり、冬眠から目覚めたカエルが活発に動き出します。
カエルの声が響くようになると、野山の若葉・田畑の緑がみずみずしく輝き、
本格的な夏の始まりを感じます。
⑵蚯蚓出(みみずいずる)
5月10日~14日頃
冬の間、土の中の穴の中で冬眠していたミミズも、土の上にひょろっと這い出してきます。
ミミズは有機物であればなんでも食べ、その排泄物には多くの栄養分が含まれています。
そのため、ミミズがいる土は作物が育ちやすい良い土とされます。
⑶竹笋生(たけのこしょうず)
5月15日~20日頃
枯れ葉で覆われていた竹林に、竹の芽であるたけのこが生えてきます。
3月・4月は孟宗竹、4月は淡竹、5月は真竹が旬です。
この季節の食べ物
あしたば
セリ科の多年草です。
強い繁殖力があり、今日葉っぱを摘んでも明日には若葉が生えてくるという事から
「明日葉(あしたば)」と名付けられました。
昔から薬用として重宝されており、現在でも青汁にして飲まれています。
ビタミンC・βカロテン・葉酸などが豊富で体に良いです。
青汁の他に天ぷらにしても美味しくいただけます。
柏餅
5月5日・端午の節句の祝膳の定番です。
葉の風味と一緒にいただく、もっちりとした素朴な柏餅は格別の美味しさです。
上新粉と白玉粉で作った甘さ控えめのお餅の中に、しっかり甘さのあるこし餡やつぶ餡が入っています。
また京都ではみそ餡が入れられることもあります。
柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちない事から、子孫繁栄を表す縁起物とされています。
そら豆
種子を包む莢(さや)が空に向かって育つため、「空豆」と呼ばれるようになったそうです。
莢がカイコの形に似ているため、「蚕豆」とも呼ばれることがあります。
皮には食物繊維が多く含まれており、皮ごと食べるのが健康に良いです。
鮮度が早く落ちるので、その日のうちにすぐに調理すること・火を通しすぎないことが
美味しくいただくポイントです。
もずく
モズク科の海藻です。
流通しているものの約9割が沖縄で養殖されている沖縄もずくという種類です。
生活習慣予防に効果的なフコイダンが多く含まれており、
胃を殺菌し、粘膜を丈夫にする役割があります。
またカロリーも低いのでダイエット中の方にもおすすめです。
真あじ
日本では昔から馴染みのある魚で、「アジ」と言えば真あじのことを指します。
程よく脂が乗り、クセが少なく食べやすい魚です。
そのため家庭でも親しまれています。
春から夏にかけて、脂が良くのって旨味が増します。
この季節の草花
皐月(さつき)
ツツジ科ツツジ目の常緑低木で、約30〜100cmの高さまで育ちます。
育てやすい花木のひとつで、交通量の多い道路沿いにも植えられていることがあります。
赤・淡いピンク・濃いピンク・赤紫など種類によって様々な色の花が咲きます。
五月のことを皐月と言うように、5月になると一斉に咲き始めます。
かたくり
名前の通り、片栗粉が取れる植物です。
球根は質が良いデンプンを多く含んでいます。
ピンクの花は下向きに咲き、日の当たる時間帯だけ開花します。
種から花が咲くまでに最短でも7年かかるそうで、
近年は群生地が少なくなっているため場所によっては
絶滅危惧種の指定を受けている場合もあり貴重な花になってきています。
カキツバタ
アヤメ科アヤメ属の多年草です。
古来から愛されており万葉集やその他古典にも多数登場します。
江戸時代前半から観賞用に多くの品種が改良されてきました。
日当たりの良い川辺や湖などに咲いており、
浅い水辺から50〜60cmの丈を伸ばし深みのある青色が美しい花です。
カキツバタには「幸運は必ず訪れる」という素敵な花言葉があります。
芍薬
ボタン科の多年草です。
芍薬は中国では古くから栽培されており、薬用植物として知られていました。
「立てば芍薬、座れば牡丹」美人の代名詞とされる花です。
ボタンは落葉低木で「木」に分類されますが、芍薬は「草」に分類されております。
この季節の生き物
ホオジロ
ほおが白いことから「ホオジロ」と呼ばれるようになりました。
一年中見られる鳥ですが、4月〜7月に繁殖期を迎えます。
この季節の行事やオススメ
端午の節句
5月5 日
五節句のひとつで、菖蒲の節句・重五(ちょうご)・こどもの日とも言われています。
元々この時期は、高温多湿で暖かくなり始める事から伝染病や害虫に悩まされていました。
そこで薬草の菖蒲を軒先に飾ったり、菖蒲湯につかったり、菖蒲酒を飲むという風習が古くから伝わっていました。
江戸時代には菖蒲と言う言葉が「尚武(武道を尊ぶ事)」に通ずる事から、
武家に生まれた男の子の成長を祝う人して定着し、それが庶民にも広まって行きました。
長良川の鵜飼開き
5月11日
岐阜県の長良川で鵜飼が始まります。
鵜飼は鵜を使って魚を採る漁です。その歴史は1300年以上とも言われており伝統があります。
5月11日には、鵜飼安全祈願や花火も打ち上げられます。
鵜飼は10月15日まで中秋の名月と増水時を除き毎晩、長良川は幻想的な世界に包まれます。
母の日
第二日曜日
母への感謝の気持ちを表して、カーネーションやプレゼントを贈ります。
1907年に北アメリカで教師をしていたアンナ・ジャーヴィスが亡き母を偲び、
教会の友人達に白カーネーションを送ったのが始まりとされています。
母親に感謝する日は世界中で設けられており、時期はそれぞれ異なります。
かつての日本では昭和天皇の皇后の誕生日3月6日でした。
葵祭
5月15日
京都市の下鴨神社と上賀茂神社で五穀芳醇を祈願する例祭です。
平安時代の王朝風俗の伝統を残しており、約500人の平安貴族そのままの姿で列を作る古典行列が、
京都御所から下鴨神社を経て上賀茂神社まで約8キロメートルを巡行します。
葵祭のメインである斎王代は京都在住の未婚女性から選ばれます。
葵祭の起源は約1400年前とされており、京都三大祭り(葵祭・祇園祭・時代祭)の中でも最も古いとされています。
三社祭り
5月の第三金・土・日
東京・浅草神社のお祭りです。神田祭・山王祭とともに江戸三大祭りの人つとなっています。
初日には鎌倉時代から伝わる「びんざさら」という楽器を打ち鳴らして舞い、五穀豊穣を願います。
また最終日には、荒祭りとされる重さ1トンを超える大神輿の他に、多数の神輿が出ます。
神輿が左右上下に激しく揺り動かされることで、神の威厳が高められるそうです。
菖蒲湯
菖蒲独特の芳香は邪気を払うとされており、「勝負」「尚武」にも通ずる事から、
端午の節句の日には菖蒲湯に入る習慣が生まれました。
湯気とともに立ち上る野趣あふれる香りは、まさに天然のアロマテラピーです。
保温作用で身体の芯から温まり、リラックス効果抜群です。
潮干狩り
干潮の干潟で貝を獲ることです。
5月の大潮は一年の中でも最も干満の差が大きくなるため、潮干狩りを行う人が多いです。
潮の引きに合わせて波打ち際にポイントを当てて探し、
潮が満ちてくるのに合わせて陸に戻ってこられるように行います。
writtn by はれる88