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無料記事 二十四節気

立春(りっしゅん)

立春(りっしゅん):2月4日頃

二十四節気の一つで、節分の翌日にあたります。
節分とは元々「季節の分かれ目」のことで、昔は1年に4回ありました。
しかし今は立春の前日の節分だけが残っています。
なぜこの節分だけが残ったかというと、立春は旧暦では1年の始まりの日だったからです。

節分は「大晦日」と同じ一大イベントの日でした。
季節の分かれ目は邪気が入りやすいと云われていたため、
節分で邪気を払って清めてから1年の始まりである立春を迎えていました。

立春は「春」が「立つ」と書く通り、暦の上では冬から春に変わる頃です。
立春である2月4日から立夏の前日である5月6日までが春とされています。

⑴東風解凍(とおふうこおりをとく)

2月4日〜8日頃
北からの寒い風が止み、東からの寒さの緩んだ風が吹く事で氷が徐々に溶けていきます。
「東」というのは実際に風が吹く方向でもありますが、陰陽五行説では東が春を表します。
春の一番初めの候として、春の訪れを感じさせます。

⑵黄鶯睍睆(こうおうけんかんす)

2月9日〜13日頃
まだ寒さが残る朝、「ホーホケキョ」とウグイスが鳴き、
春が着実に近づいてきている様子を表しています。
日本人は遥か昔からウグイスの鳴き声を聴き春を連想しました。

⑶魚上氷(うおこおりにのぼる)

2月14日〜18日頃
沢や湖の張り詰めた水辺の氷が徐々い溶けてゆき、そこから魚が顔を出すという意味です。
「泳ぐ」のではなくあえて「上る」と表現されていることから、生命力の強さを感じます。
2月中旬〜3月いっぱいは渓流釣りの解禁シーズンでもあるため、釣り人たちはこの頃になると
ドキドキ・ワクワクしながら過ごしていることでしょう。

この時期の食べ物

立春朝絞り

立春の早朝に絞り上げたお酒を瓶詰めした縁起酒です。
日本名門酒会に加盟する蔵元と酒屋でしか販売されていません。
「その地域のお酒を造る人、届ける人、飲む人が、一緒に春の到来を祝う」という
地酒ならではの意味合いが込められた地域限定酒です。

立春大福

昔から親しまれてきた大福。小豆にや餅には穢れを祓う力があるとされます。
また「大」きな「福」と書く名前や、丸い形が「円満」に通じるなど、
開運の和菓子としても親しまれてきました。
立春の時期は全国各地の和菓子店で様々な「立春大福」が販売されます。

立春生菓子

立春の朝に作ってその日のうちに食べる生菓子のことです。
桜餅やうぐいす餅など、春を感じる草花を使った和菓子が食べられてきました。

土佐文旦

高知県を代表する土佐文旦。2月13日は「とさ(13)」「ぶ(2)んたん」の日として記念日に制定されました。
文旦の中では小さい部類に入る土佐文旦は、爽やかな甘さとほろ苦さをもち根強い人気があります。
日持ちが良いので贈り物としてもおすすめです。

他に旬のものとして、いちご・伊予柑・あおやぎ・いとより・伊勢海老・新玉ねぎなどがあります。

この時期の草花

控えめで気品溢れる5弁花。昔から日本の多くが好む花です。
奈良時代に「花見」というと桜の花ではなく梅の花だったそうです。

百人一首でも学問の神様で有名な菅原道真が、

 こちふ    にほ   うめ はな         はる わす
東風吹かば匂ひおこせよ梅の花 あるじなしとて春を忘るな
東風(春風)が吹いたら匂いを(京から私のいる太宰府まで)送っておくれ、梅の花よ
主人(菅原道真)がいないからといって、春を忘れるなよ

と詠んだように、梅は春の季語としても使われてきました。
日本人に備わる季節の移ろいを慈しむ完成の原点は梅の花からきているのかもしれません。

桜草(サクラソウ)

江戸時代から品種改良が行われ、好まれてきたサクラソウ。
初恋・淡い恋・純潔・希望・清らか・無邪気などの花言葉があります。

サクラソウは他の日本の伝統的な植物であるハナショウブやツバキど同様に品種のバリエーションが豊富です。
濃いピンク〜薄いピンク色の花が一般的で、紫や白などもあります。

この季節の生き物

ウグイス

春告鳥とも呼ばれます。ウグイスの鳴き声を聞くと、
冬から春へと季節が動いたことを実感し気分が明るくなります。
「ホーホケキョ」というウグイスの鳴き声は、オスがメスを誘う恋の歌です。

その年の初めてのさえずりを「初音」と呼び季節を知る指標にもなっています。
九州で初音が聞かれたらそれから3ヶ月ほどかけて徐々に日本列島を北上していきます。

メジロ

黄緑色をしていて目の周りが白い色をしています。
また春には桜の蜜を吸う姿が良く見られるため、春の鳥で連想する人が多いようです。

ケラ

「手のひらを太陽に」の童話にも登場するオケラです。
直翅目キリギリス亜目コオロギ上科に属し、
コオロギの仲間ですが英語ではmole criket(もぐらコオロギ)と呼ばれています。

前足がもぐらの前足の爪付きシャベルのようになっています。
春に一斉に産卵され、成虫になったケラは田んぼや畑で
「ジーーーン」「ビーーー」といった声で鳴いています。

この季節の行事やオススメ

立春大吉

「立春大吉」と書いた紙を柱や玄関に貼ると、1年を無事に過ごすことができると言われています。
「立春大吉」は左右対称でバランスが良いため、縁起を担いでいるとされています。
曹洞宗の開祖である道元によって伝えられました。

初午(はつうま)

2022年…2月10日(木)
2023年…2月12日(月)
2025年…2月6日(木)

2月の初めの馬の日のことです。
この日は京都の伏見稲荷大社に神様「宇迦之御魂」が降りた日とされていて全国の稲荷神社祭礼が行われます。
キツネがシンボルとなっているのは、神様の使いがキツネだからで、
その神様の使いであるキツネが脂揚げを好むので油揚げやおいなりさんをお供えして五穀豊穣や商売繁栄を祈願します。

さっぽろ雪まつり

2月初旬〜中旬頃
1950年に地元の中・高生が6つの雪像を大通公園に展示したことで始まった「さっぽろ雪まつり」。
例年は、世界各地から参加者を集う国際雪像コンクールを開き、200を超える雪像が並びます。
夜はライトアップもされるので冬の一大イベントとされています。
毎年同じ頃に開催されますが、年によって日程や規模は若干変わります。

針供養

2月8日(関東)・12月8日(関西)
折れた針を豆腐に刺して供養します。
針供養は農耕を始める日である2月8日か、農耕を終える事納めの日である12月8日に大和撫子が裁縫技術の上達を願って
行ってきた行事です。これらの日は慎みをもって過ごし、針仕事を休むべきとされていました。

建国記念日

2月11日
『古事記』では、初代天皇ある神武天皇が即位された日だとされています。
この日は原点を汲み取るために、神武天皇が好んだとされる水飴と、根菜類(原点=根っこ)を神棚や仏様に
お供えするのが良いとされています。

なまはげ柴灯(せど)祭り

2022年2月11日〜13日
秋田県男鹿市の真山神社で毎年の2月の第2金・土・日の三日間開催されます。
900年以上前から行われている神事「柴灯祭」と民俗行事「なまはげ」を組み合わせた冬の観光行事です。
真山神社の境内に炊き上げられた柴灯火の元で繰り広げられるナマハゲの乱舞は多くの人々を魅了します。

バレンタインデー

2月14日
バレンタイン司祭は結婚を禁止していた古代ローマ帝国の皇帝である
クラウディウスII世に逆らって多くの兵士たちの結婚式を執り行いました。

そしてその行為が皇帝の逆鱗に触れ、270年2月14日に処刑されてしまいました。
元々はバレンタイン司祭の死を悼む祭日でしたが20世紀になると、
恋人や夫婦感・男女でプレゼントを贈り合うようになりました。

1958年頃から、製菓会社とデパートが
「バレンタインデーにチョコを贈ろう」というキャンペーンを初め、
次第に定着していきました。

 

writtn by はれる88



二十四節気とは

雨水(うすい)

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