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無料記事 二十四節気

春分(しゅんぶん)

春分(しゅんぶん):3月21日頃

 

春は立春から立夏の前日までとされております。
そして、春のちょうど真ん中に当たるの春分です。
つまり、春のちょうど真ん中が春分です。

国立天文台が毎年算出し、前年の2月に発表します。
太陽の黄経が0°となり、太陽が真東から昇って真西沈みます。
昼と夜の長さがほぼ同じになる頃です。
この日を境に徐々に昼の長さが長くなります。

第二次世界大戦以前は「春季皇霊祭」という祝日で、
天皇が歴代天皇の御霊を祀る日でしたが1948年に「自然をたたえ、いつくしむ日」と
制定されてからは彼岸のお墓まいりは秋以降によく見られます。

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるよう、
この頃からだんだんと春らしく暖かい気候になっていきます。

⑴雀始巣(すずめはじめてすくう)

3月21日~25日頃
あまりにも人間の生活に身近なスズメです。
産卵に備えて巣作りを開始します。

冬枯れ草や枯れ枝を集めて電柱柱や屋根、軒の隙間に、枯葉を運びます。
かつてはスズメが家に巣を作ると吉兆として喜んだそうです。

⑵桜始開(さくらはじめてひらく)

3月26日~30日頃
桜は古来より日本人の心の象徴として愛され、国花にも指定されている樹木です。
桜前線の北上とともに、お花見・朝桜・夕桜・夜桜・雨が降っても晴れても楽しめる、
散りゆく姿も風情があります。

⑶雷乃発声(らいすなわちこえをはっす)

3月31日~4月4日頃
雷は季節を問わず発生しますが、中でも立春が過ぎた頃に発生する雷を「春雷」と言います。
寝静まった深夜や、夜明けに「ゴロゴロ」と鳴りすぐにやむことが多いです。

 

この季節の食べ物

ふき

キク科の多年草で透き通るような緑色が春らしいです。
日本全国の野原や山林、道端に生息しており、アク抜きをして色鮮やかに茹で、
だし醤油でシンプルに食べるのがおすすめです。

いいだこ

北海道より南の浅海に広く生息しています。

イイダコは漢字で「飯蛸」と書き、これは子持ちのものを煮た時に、
中に詰まっている卵が飯粒が詰まっているように見えるためです。

マダコの一種ですがマダコよりは小さく、
また卵が詰まった子持ちのメスは高級品として扱われます。

絹さや

綺麗な緑色と、滑らかで繊細・柔らかい食感は春ならではの味覚です。
お料理の際の彩にも使いやすく、茹で時間も短く済むので便利な食材です。

小かぶ

東京葛飾生まれの金町子カブをルーツに持つ子カブは、形が美しく野菜の芸術品と呼ばれています。
小かぶははるか秋にタネをまき、50日程度で収穫できます。
葉の部分に栄養が多く含まれ、葉先から末端まで全部を美味しくいただけます。

白魚(しらうお)

江戸時代には白魚漁の始まりが春の訪れを告げていたと言われています。
現在では河口付近や汽水域で四手網を使って獲られます。体長5~10cmくらい。

体の色は獲りたでで新鮮であればあるほど透き通っていて美しく、
死後時間の経過と共に白っぽくなる様子から白魚と呼ばれるようになりました。

サヨリ

細長い銀色の体が特徴です。
春から初夏にかけて、産卵のために沿岸部へとやってきます。

一般的にサイズが小さいものを「エンピツ」、
大きく成長し40cm前後の太いものを「カンヌキ」と呼ばれています。

カンヌキの大型のものは、
寿司店や割烹・天ぷら専門店で高級魚として扱われています。

桜餅

江戸時代、向島・長命寺の門前で売り出したがきっかけです。
関東風と関西風があり、関東風は水で溶いた小麦粉を薄く焼いた皮に
あんこを挟んだもので【とらや・桜餅】が有名です。

関西風は道明寺粉を蒸したモチモチの皮の中に
あんこを詰めたものになっており【たねや・さくら餅】が有名です。

真鯛

お祝い事として古くから親しまれている鯛。

縄文時代の遺跡から鯛の骨が発掘されたり、
平安時代には朝廷への貢物としても贈られたことが記されています。

真鯛は北海道から九州にかけての日本海、太平洋、それに瀬戸内海をはじめ、
広くは東シナ海から南シナ海まで分布しています。

寿命は20~40年とされ、大きいものだと100㎝を超えるものもおり、
釣り人を魅了しています。
目の下一尺とも言われ、体長40 〜50cmほどが特に美味しいとされています。

うど

自生のうどは3月〜4月が旬です。
東京で栽培されている軟化うどは、江戸時代からの伝統野菜です。

柔らかい葉先は天ぷらにすると特に美味しくいただけます。
選ぶときは葉先から根元まで太くて、みずみずしく、うぶ毛が多いものを選ぶと良いです。

 

この季節の草花

こぶし

モクレン科モクレン属の高木です。
蕾が子どもの手の拳の形に似ているためこのような名前になったと言われています。

桜とともに春を告げる花木で、
ヤマザクラと同様にコブシも種まきや田植えの時期を知らせる木として古くから親しまれてきました。

コブシもサクラも田打桜・種蒔桜・田植桜と呼ばれます。

たんぽぽ

キク科タンポポ属の植物で、日本には約20種類の固有種があります。
葉は苦味が少なければサラダに、苦味が強ければおひたし、
花びらは天ぷらとしても食べられることがあります。

つくし

「土」の「筆」と書いて「土筆(つくし)」と読みます。
つくしの頭は筆のようになっています。

ここから胞子を撒き散らすとつくしは枯れてしまいます。
「胞子茎」と呼び、スギナがその数を増やすために生み出したものです。
生命力の強さを感じられる植物です。

沈丁花

生垣や庭木でよく見かける花です。小さな花が毱状になって咲きます。
2月や3月に花を咲かせ、春の季語となっています。

強い香りがするため、
線香などに用いられる香木の「沈香」・スパイスとして用いられる丁子(ちょうじ)に
例えて沈丁花と呼ばれるようになりました。

中国から伝わり、室町時代にはすでに栽培されていました。

 

この季節の生き物

ヤドカリ

ヤドカリ科などの甲殻類の総称で、浅い海に生息します。
脱皮をしながら徐々に大きくなり、
大きくなるごとに体に合うサイズの貝殻を探して引っ越ししていきます。

近年では飼いやすさからペットとしても人気があります。
寿命は長く、平均でも10年〜20年、中には30年以上生きた個体もいるそうです。

おたまじゃくし

池や川だけでなく、田んぼにも生息するカエルの幼虫です。

2〜3月にかけてがカエルの産卵期なので、
それくらいの時期になると田んぼや緩やかな川、水たまりで卵の塊を見つけることができます。

半円球型の頭胴部と尾が、長い柄のついた杓子のような形だからこの名前がついたとされています。

 

この季節の行事やオススメ

花見

桜を鑑賞して楽しむ「花見」は平安時代の頃から宮中を中心に行われてきました。
江戸時代にはさらに盛んになり、庶民の間でも楽しまれるようになりました。

桜といえば古くは山桜を指し、平安時代の花見も山桜で行われていました。
山桜は奈良県の吉野山の桜にみられます。
現代で桜といえば「ソメイヨシノ」を指し、山桜よりも少し淡い色の花びらです。

花見は元々その年の豊作を祈願して行うもので、
山桜の木の下にお酒やご馳走を用意して宴を楽しむ会でした。
その時に花見酒や花見団子・花見弁当が次第に定番となっていったようです。

全国各地にお花見の有名なスポットがありますが、
約1200本もの桜が見られる上野恩賜公園、ソメイヨシノより少し早めに咲く密蔵院の安行桜、
遊歩道に沿って約260本の桜が続く千鳥ヶ淵緑道などが特に有名です。

春の北斗七星

北の空にひしゃく型に並んでいる7つの星のことです。
おおぐま座の尻尾と身体の一部分にあたり。

柄の先から2番目の星は「ミザール」と「アルコル」が二つ重なっており二重星となっています。
「目試しの星」とも言われています。アラビアでは兵士の視力検査にこの星を使い、
ミザールとアルコルが見分けられたものを合格にしたとも言われています。

春の社日(しゃにち)

3月21日前後の戌の日
社日とは生まれた土地の神様である「産土神(うぶずながみ)」を祀る日で、春と秋の2回行われます。
春の社日は「春社」と呼ばれ、この頃に種まきが行われる農作物の豊作を祈願します。

また、秋の社日は「秋社」と呼ばれ、無事に農作物が収穫されること祈願します。
春社・秋社共に私たちの食に欠かすことができない「土」に感謝する日で、
土地の神様に感謝の気持ちを示すためにこの日は土仕事をせず、田畑に出ることを禁じる地域もあります。

世界気象デー

3月23日
1950年3月23日、世界気象機関条約が発行し、
国連の泉温期間の世界気象気候(WMO)が正式に発足したことを記念し1960年に制定されました。

毎年気象テーマを決め、気象の知識や、国を超えての理解を深める取り組みを行います。

2021年のテーマは「海洋と私たちの気候・天気」でした。
WMOがWEB上に特設ページを設け、3月上旬に気象庁から気象庁の取り組みを含めた内容が発表されます。

毎年ある世界気象デーをきっかけに環境問題への意識を高めて見るのもおすすめです。

表千家利休忌

3月27日
千利休は、精神性と「侘び・寂び」の美しさに軸を置いた茶道を大成した人物です。
その流れは現在でも多くの茶道流派に引き継がれています。

千利休が亡くなったのは1951年の2月28日とされています。
表千家では月遅れの3月27日に遺徳を偲んで、門弟たちが一応に集まり茶会を開きます。
利休を描いた掛け軸に茶葉やお茶湯、クチナシで色付けした黄色の朧(おぼろ)饅頭を添えます。

薬師寺花会式

3月30日〜4月5日
奈良県奈良市の薬師寺で10種類(梅・桜・桃・山吹・椿・杜若・藤・牡丹・菊・百合)の
造花を薬師三尊の前に飾ります。

国家繁栄と五穀豊穣を願う行事です。
4月5日の夜には赤・白・黒・緑・青の5匹の鬼が松明を持って暴れます。
東大寺のお水取りと同様、奈良ではこのお祭りから春が始まると言われています。

 

writtn by はれる88

 

啓蟄(けいちつ)

清明(せいめい)

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