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無料記事 二十四節気

小満(しょうまん)

小満(しょうまん):5月21日頃

 

日を追うごとに陽気が盛んになり、草木は茂り始め、あらゆる命が次第に成長し、
天地に満ち始める頃です。梅雨を目前に、前年の秋に巻いた麦は次第に穂を膨らまし、
人々の気持ちもホッと一安心(少し満足)する事から小満と言われるようになりました。

萌えでたばかりの柔らかな芽は萌黄色から若葉色へ、次第に背を伸ばす草は若草色から若緑へ、
稲は若音色から苗色へと色彩豊かな風景を楽しめます。

⑴蚕起食桑(かいこおきてくわをくう)

5月21日~25日頃
カイコが動き出して元気に桑の葉を食べて成長する頃です。
日本で蚕の飼育が始まったのは今から1800年前と言われています。

当時は着物や反物に絹糸を使ったカイコの生産が盛んに行われていました。
美しい絹糸を紡ぐカイコは「おかいこさま」と呼ばれ、人々の生活を助けていました。

また桑の葉もこの時季に収穫しているため「木の葉採り月」とも呼ばれています。

⑵紅花栄(べにばなさかう)

5月26日~30日頃
古代エジプト時代から染料として利用されていた紅花。

中国の呉から日本に伝来した藍(染料)である事から「呉藍(くれのあい)」、
「紅(くれない)」になったと言われています。
この時季はその紅花が盛んに咲く頃です。

あたり一面に紅花が咲くと、化粧の紅を取るための花摘みが始まります。
花は黄色ですが、水にさらして何度も乾燥させていくと紅色に変化します。

⑶麦秋生(ばくしゅういたる)

5月31日~6月5日頃
麦秋至の「秋」という言葉は「実りの季節」という意味があります。
黄金色に色づいた麦の穂が実ります。

季節はまだ夏ですが、この頃に吹き渡る爽やかな風を、
「麦の嵐」「麦の秋風」と呼び、夏を象徴する季語にもなっています。
また、その風によってそよぐ穂を「麦の波」、この頃に降る雨のことを「麦雨」と呼びます。

さらに空を見上げると「麦星」と呼ばれる黄金色のアルクトゥルスが頭上に輝きます。

 

この季節の食べ物

青梅

生では食べられない青梅は氷砂糖と一緒に梅シロップや梅酒にするのが美味しいです。
ほど良い酸味と優しい梅の香りはこの時期ならではの味覚です。
梅酒には若くて硬い青梅を使用し、梅干しや梅ジャムにする場合には黄色く完熟したものを使います。

梅の酸っぱさはクエン酸で、疲労回復に効果があると言われています。

どじょう

コイ目ドジョウ科ドジョウ属の淡水魚です。
「どんぐりころころ」の童謡にも出てくるため、子どもの頃から親しまれている魚です。
日本ではほぼ全域に生息しており、河川や水路、田んぼなどに住んでいますが、
土や砂利の中に潜んでいるので上から探すのは困難です。

柳川鍋など、江戸時代から愛されてきました。栄養価が高く、
ドジョウ1匹でうなぎ1匹分に相当するとも言われています。

しそ

シソ科シソ属の植物の総称です。
一般的には「青じそ」と「赤じそ」のことを指します。
青じそは初夏から盛夏にかけて収穫のピークを迎えます。

香り高く防腐作用のある青じそは薬味に用いられるだけでなく、消化促進・リラックス効果があります。
また色合いの良い赤じそは、しそ酢やふりかけとして親しまれています。

キス

キスといえばシロギスを指すのが一般的です。

沖縄を除く日本各地で水揚げされますが、高級魚に分類されるため、スーパーや魚屋さんではあまり見られません。
体長は10cm〜20cmほどで、身には脂肪分が少ないため塩焼き・刺身・天ぷら・フライなどが美味しいです。
初夏になると浅瀬でも釣ることができ、6月〜8月頃がよく採れます。

らっきょう

ユリ科の多年草です。
多くの薬効を持ち、平安時代に中国から伝来した時は薬として用いられてきました。
江戸時代に入ると食用として広まりました。甘酢漬けが定番ですが、天ぷらにしても美味しくいただけます。
加熱する事で甘みが増します。

 

この季節の草花

浜梨(はまなす)

バラ科の花で、海岸近くに植えられることが多い植物です。
5月上旬から6月中旬にかけて開花します。
夏になるとミニトマトのような形のオレンジ色の実がなり、
食べることができますがとても甘酸っぱい味がします。

甘酸っぱい実を梨に例え、
「浜梨(はまなし)」が東北弁に訛り、「はまなす」になったと言われています。

スズラン

開花期は4〜5月で、先端に鈴の形に似た花を5〜10個、房のように咲かせます。
俯き加減で葉の陰に咲く事から「君影草(きみかげそう)」という奥ゆかしい名前もあります。
可愛らしい花の形はもちろん、上品で甘い香りも好まれます。

 

この季節の生き物

蚕(カイコ)

蚕は野生の蛾(ガ)を人間が飼い慣らし、数千年かけて家畜化したものです。

より良質な生糸を多く効率良く採取するために様々な品種改良が行われてきました。
カイコの幼虫はほとんど移動しません。
人が世話をしないと生きていけない虫だと言われています。

カイコは卵から羽化してから4度の脱皮を行い、約26日で繭を作り常繭します。
その繭が出荷され生糸に加工されます。

現代では遺伝子組み換えカイコの技術が進歩し、
超極太シルクや蛍光シルクなど、様々な繭糸が作られています。

シジュウカラ

平地から産地、林や街中などの木々が多い場所に生息します。
胸からお腹にかけてネクタイ模様のように黒くなっているのが特徴です。
「ツーピー、ツツピン」と鳴きます。
産卵期は4〜7月でm産む卵の数は7〜10個ほどです。

テントウ虫

星の数や色は様々で、コロンとした愛らしい姿から子どもに好まれています。
農作物の天敵となるアブラムシなどの害虫を食べてくれるため、大人にも愛されてきました。

 

この季節の行事やオススメ

早苗田(さなえだ)

田植えが終わったばかりの田んぼは、
苗がまだ弱く、田に張られた水に光が反射する様子が鏡のように見えることがあります。

周りの山々、空の青さと白い雲のコントラスト、
自然豊かな景色が田んぼにみずみずしく映し出される風景に心が奪われます。

田毎(たごと)の月

早苗田の美しさと同様、斜面に広がる棚田に水が張られた頃、棚田の田ごとに見える景色は圧巻です。
棚田の周りを散策すると、まるで月が追ってくるかのように美しく見え、その風景を「田毎の月」と言います。
特に長野県千曲市にある姨捨山が名所です。

北海道滝上公園の芝桜

5月7日頃〜5月31日

北海道の滝上町には5月上旬〜6月上旬にかけて10万平方メートルもの大群落の芝桜が見られます。
日本一を誇る芝桜の大群落、鮮やかなピンクの絨毯が公園いっぱいに広がる風景はとても可愛らしく、
また甘い香りが街中を包むので散策やデートにもおすすめです。

貴船祭り

6月1日

全国に約500社もある貴船神社の総本宮である京都の貴船神社で行われるお祭りです。
毎年6月1日に行われ、祭りの最後にはヤマタノオロチ退治の神話を再現した出雲神楽が奉納されます。
新緑の中を練る神輿と、木々の中に響くお囃子の音はとても幻想的です。

衣替え

6月1日・10月1日

四季があり1年中でも寒暖差が激しい日本では、
クローゼットやタンスの衣類を変える衣替えは欠かせないものとなっています。
衣替えの歴史は古く、年中行事に由来すると言われています。

平安時代には4月1日に夏装束へ変え、
10月1日に冬装束へ変える「更衣」というものがありました。

現在では、学校や職場で制服がある場合は6月1日に夏服へ、
10月1日に冬服へ変える衣替えが行われるのが一般的です。

 

writtn by はれる88

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芒種(ぼうしゅ)

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