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無料記事 二十四節気

小雪(しょうせつ)

小雪(しょうせつ):11月22日頃

 

節気に「雪」の字がある通り、
東北南部や信越地方などの北日本や山間部ではそろそろ雪が降り始めます。
しかし寒さはまだそれほどではありません。

本格的な冬の前触れのような時季で、寒さは厳しくもなく、
雪もそれほど多くはないが着実に冬へ季節が移ろっている頃を表します。

北風が吹き、木の葉が落ち紅葉した鮮やかな葉の絨毯を楽しめます。

⑴虹蔵不見(にじかくれてみえず)

11月22日~27日
日差しが弱まって空気が乾燥し始めるため、
虹を見かける機会が少なくなるという意味です。

この時季に虹がかかったとしても、
すぐに消えてしまうので「冬の虹」は希望と儚さを持った冬の季語として使われます。

晴明の末候「虹始めて見る」と対になっています。
北陸では、冬季雷と呼ばれる雷が増してきます。

⑵朔風払葉(さくふうはをはらふ)

11月28日~12月2日
「朔風」とは北風のことで、冬の季語となっています。
北風が吹いて木々の葉がハラハラと落ちる様子が伺えます。

⑶橘始黄(たちばなはじめてきなり)

12月3日~6日
「橘」とは温州みかんの原種で、古くから日本に自生している常緑の木です。
古事記や日本書紀にも、
不老不死の実・非時香果(ときじくのかくのこのみ=時を選ばずに香る果物)として登場しました。

冬でもはが青々として、まばゆい黄色の実をつけますが、
その実は酸味が強いため食用には向きません。

また橘は縁起の良い果物としても重宝されてきました。

 

この季節の食べ物

くわい

11月から12月が旬の食材です。
茎の先に目が見えた形をしており「芽出た(い)」=「めでたい」ということから
縁起物として重宝され、お正月のおせち料理でも定番の一品となっています。

独特のほろ苦さがあり、主成分は炭水化物です。

日本には奈良時代に伝わり、
日本には青くわい・白くわい・吹田くわいの3種類があります。

一般的に市場に多く出回っているのは青くわいです。

金目鯛

目が金色に見え、鯛のような赤い体が特徴です。
目が金色に光って見えるのは、瞳の奥にタペータムという反射層があり、
光を集めて反射するためです。

海水魚で、
未成魚は水深100-250m
成魚は200-800mの深海に生息しています。

大ぶりで脂がたくさんのっているものは特に良いとされます。
国産のものは高級で、市場にはニュージーランドからのものも多く出回っています。

レンコン

レンコンは漢字で「蓮根」と書く通りハスの地下茎で、
ビタミンCとでんぷんを豊富に含んでいます。

穴が空いていることから「見通しが良い」「先を見通せる」ことから、
縁起の良い野菜とされてきました。

歯ざわりを生かした酢の物や煮物、揚げ物料理が人気です。

空気に触れると黒くなる特性があるので、
レンコンを調理する際には皮を剥いたら一度水に通し、
切った後もすぐに水につけるのがポイントです。

コウイカ

抗がん・防腐の効果があるとされるイカスミを多く含み、
関東では「スミイカ」、関西では「ハリイカ」とも呼ばれています。

寿司ネタ・天ぷらネタとしても非常に人気が高く、
味が良いので高値で取引されほとんどが料理店などで使われます。

この時期は成長したものが岸に近づきます。
コウイカは1年で寿命が尽きるので、季節によって味が変わるのも特徴です。

きんき

大きな目と口を持つ真っ赤な体をした魚です。
金目鯛とよく似ていますが全く別の白身魚です。

北海道オホーツク海沿岸、北海道〜三重県大王崎の太平洋沿岸に分布し、
水深150-1200mの深海に生息します。

冬に獲れるものは脂がたっぷりと乗っており、刺身や煮付けなどで食されることが多いです。
関東では「きちじ」という呼び名を持ちます。

DHAやEPAが豊富に含まれており、
秋刀魚や鯖などの青魚と同等の栄養があります。

 

この季節の草花

やつで

海辺に自生する常緑樹です。
江戸時代には庭木として植えられていました。

葉がとても大きい形をしており、七つから九つほどに別れた葉先を、
縁起のいい「八」と数えて「八手」と名付けたそうです。

天狗の羽団扇(はうちわ)とも呼び、厄除けに用いられることもあります。
初冬には花びらが5枚の小さな花が球状に群れて咲きます。

寒菊

アブラギクの園芸品種です。
非常に霜に強く12月から1月にかけての寒い時期に咲く菊です。

この時期は寒さの深まりとともに、一般的な花は少なくなります。
しかし寒菊は冬の季節に花期が長いため園芸用としてもとても人気があります。

花は小型ではあるものの黄色など濃い色が多く、
大輪・小菊・八重咲き・変わり菊・スプレーマム・ポンポンマムと
種類も品種もたいへん豊富です。

年末年始のお供えとしても華やかでおすすめです。

おやまりんどう(御山竜胆)

日本の固有種で、中部地方から東北地方南部にかけて広く分布します。
20〜60cmの高さで、太い茎の先に濃い青紫色の花を持つおやまりんどうは、
花は壷形で平開しないという特徴があります。

「きやまりんどう」とも呼ばれます。

 

この季節の生き物

フクロウ

九州以北の平野、山林、社寺林などに生息します。

平たい顔をしており、目は正面に2つ付いています。
耳は目の横にありますが、羽毛が被っていて見えません。

暗いところでネズミなどの餌の動きを察知するので耳は発達しています。
昔から、食べ物や種を食い散らかすネズミの天敵であることから、
人々からありがたがられた鳥です。

カワセミ

大きなくちばしと、コバルブルーと橙色の美しい体が特徴です。
その美しさから「渓流の宝石」と呼ばれ、
また「翡翠(ひすい)」と書いてカワセミと読ませるなど、
昔から人々を魅了してきました。

川にいる魚や小虫を餌としており、
サーっと水中に飛び込んではその大きなくちばしで華麗に捕まえます。

また繁殖期にはオスがメスに餌を捧げてプロポーズします。

オシドリ

卵が帰るまではオスがメスにぴったりと寄り添います。
その姿から仲良しの象徴とされています。
「おしどり夫婦」の語源はこの様子からきています。

オスはオレンジや白、ブルーなどの色とりどりで美しい色彩の羽を持ちますが、
メスは目の周りが白く地味な色彩です。

二羽がゆったりと池に浮かんでいる姿を楽しむのはバードウォッチングの醍醐味です。

おしどりは全国的に分布・繁殖しますが、
他のカモとは馴染まず、オシドリだけの群れを作って過ごします。

 

この季節の行事やオススメ

新嘗祭(にいなめさい)

11月23日
現在の11月23日は勤労感謝の日ですが、戦前までは「新嘗祭」と呼ばれていました。
元々は宮中儀式の一つで、天皇がその年に取れた五穀の新穀やお酒を神様へお供えし、
自身も食し、農作物の収穫を感謝していました。

特に天皇が即位後、初めて行う新嘗祭は「大嘗祭」と呼ばれます。
現在でも宮中や伊勢神宮など、全国各地の神社では11月23日に新嘗祭が行われています。

新嘗祭は数多くある皇室行事の中でも、
特に古くから続く大事な祭礼とされています。

遅く実る稲の収穫が終わるこの頃、
ツヤツヤの新米をいただけばその美味しさがよく感じられ、
恵みに感謝する気持ちが自然と生まれてきます。

秩父夜祭

12月3日
埼玉県秩父市の秩父神社の例大祭です。
京都祇園祭、飛騨高山祭と共に日本三大曳山祭の1つに数えられています。
地元の人たちは「冬まつり」「夜まつり」とも呼んでいます。

重量感溢れる豪華な笠鉾と屋台が、雄大な太鼓囃子のリズムに乗って登場します。
また打ち上げ花火や仕掛け大花火を競演することで祭りはさらに盛り上がります。

この秩父夜祭は江戸中期の「絹大市(きぬのたかまち)」が発展した祭りとされています。
「秩父祭の屋台行事と神楽」は国の重要有形・無形民俗文化財に指定され、
全国の「山・鉾・屋台行事」の33件のうちの一つとして、
ユネスコの「無形文化遺産」として指定されています。

ひょうたん祭り

12月4日
大分県豊後大野市千歳町にある柴山八幡社の800年続くお祭りです。
頭に長さ80cmのひょうたんを冠り、
足には三尺五寸(約1m20cm)重さ8キロほどの巨大わらじを履いたひょうたん様が
「よいしょ、よいしょ、ひょうたん様のお通りだ!」という掛け声とともに
人々を先導しながら里へと繰り出していきます。

ひょうたんに入った3升もあるお神酒を振舞いながら歩き、
それをいただくと五穀豊穣、無病息災、
健康になるということで、氏子や観客が競っていただきにいきます。

納めの水天宮

12月5日
毎月5日を縁日とする日本橋の水天宮では、
1年の最後である「納めの水天宮」が開催されます。
1年の無事を感謝して、古いお札を納める参拝客が多く見られます。

秩父夜祭

埼玉県の秩父夜祭は曳山祭で、
武甲山に住む男神様と秩父神社の女神様が年に一度、
亀の子石の前で会える日とされています。

木枯らし

北風、木枯らし、空っ風とも呼ばれます。
初冬に吹く冷たい風は、あっという間に木の葉を吹き飛ばしてしまいます。

枝と幹だけになった木々は寂しげですが、
その代わり葉が生い茂る季節には見えなかった景色が立ち現れて、
空が広く感じられます。

また、山を越えて吹き付けてくる木枯らしは、特に冷たく強い風です。
特に群馬上州の空っ風が有名です。

お歳暮

お世話になった人に、
一年間の感謝の気持ちをお礼に込めて贈り物をする習わしです。

直接渡すことが望ましいとされていますが、
遠方などで直接渡せない場合は、12月初旬から20日頃までに届くように送るのが一般的です。

昔は、お正月に先祖の霊を祀るために親族でお供え物を持ち寄ったことが起源とされています。
その当時は、お米・餅・魚・塩鮭などお正月のお祝いで使えるものを贈りあっていました。

現代では、親戚や親しい友人、
仕事上での大切な取引相手などに贈られています。

お歳暮を送る場合は早めに準備することを心がけましょう。

 

written by はれる88

立冬(りっとう)

冬至(とうじ)

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